2015年度 任天堂株主総会に、行ってきた。

2015年度の任天堂株主総会

f:id:Linotype:20150627133541j:plain

行ってきた。

 

生憎の雨天。何かと振りかかる任天堂。上空には進化を促そうとするモノリスが。

まあ本当は傘の留め金なんですけど。

 

さて本題に入る前に。

総会は

・事業報告

・質疑応答

・決議

の3部構成ではありますが

事業報告に関しては

http://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2015/breport_1503.pdf

上記、事前に配布された事業報告書を一字一句違わず岩田社長が復唱するだけですので

毎度の事ですが割愛させて頂きます。

興味があるなら是非公式で読みましょう。

 

決議はというと拍手するだけですし。更に語るに及ばず。

まあそもそも事前投票がメインで、総会の票なんてごく僅かですし。


ですのでまあ、ここでは質疑応答における

・要約(役員側の発言は敬称略で表記)

・公式で省かれそうな内容

などを箇条書きで記し

・面白かったところ

・ツッコミ

等々、私の印象をそれに付記してあります。

 

情報の正確性や公平性などは差し置いて頂きまして

公式でリリースされる(された)質疑内容と照らしあわせ

www.nintendo.co.jp

ニュアンスの補完にでも、どうぞどうぞ。

 

 

 

 1問目

パッケージ版とダウンロード版の価格差は一体どういう事なのか。

ダウンロード版の方が高いのは何故か。

 

Amazon等ではダウンロード版の値下げも独自にされている事に言及する岩田社長。

・店頭でのダウンロードカードの販売ではPOSを通す度にアクティブ化しており
在庫リスクがない旨を説明。

・パッケージ版を扱う場合は在庫リスクがある為、小売店側には値段を下げざるを得ない場合がある(岩田)

・販売価格を強制する事は法に抵触するので出来ない(岩田)

 

質問は多分流通コスト抑えれるのになんで高いねんってニュアンスだったんだろうけど
その点を質問者がちゃんと単語で盛り込まなかったのでスルー。

 

店頭のダウンロードカード販売と尼(ダウンロードコード)を並べて語られる所

品目としては両者は全く同じ扱いぽい。

そらまあそうか。

 

・ソフトウェアの価値を一度下げると、それを戻すのは難しい(岩田)

・しかし今年秋より始まるメンバーズサービスで吸収したい(岩田)

 

 

過剰な割引が問題視されている海外では何気にホットな話題。

新メンバーズサービスがそこら辺をプラットフォーム単位で掬い上げられる仕様なら

サードにとってもかなりインパクトがあるんだけど。

そこまで踏み込める任天堂というのも想像出来なかったり。

 

 

2問目

株式の単位を下げれないか?

 

質疑ではしょっちゅう出る話題で、よく大口の証券会社の人が出してた気がする。

今回は一般株主さんで、言葉の詰め方が甘く分割前提では無かったので

「法制度上出来ない」という前置き付き。

 

・お決まりの株式分割等のメリット/デメリットという返答。

・分割する場合、株主のプレミアム感等も損ねる。(岩田)

 

プレミアム感出したいなら土産にイカちゃん入れようや、時事性すなわち希少性。

てか最近はヒゲのタオルとポケモンのクッキーばかりでマンネリパターン。

せめてピーチとかロゼッタのタオルなら色々捗るんだけどどどど。

 

 

3問目

3DSでは立ち上がりを失敗し、値下げするまで苦戦していた。

WiiUでもまた立ち上げで失敗している。

新ハードであるNXでは大丈夫なのか。

 

・特にWiiUの方は上手く行ってない、と岩田社長。

任天堂のハードで立ち上げが上手く行ったのはWiiぐらい(岩田)

・発売までまだ間があるNXを発表した経緯を改めて説明する岩田社長。

 

答えられないと予め明言されてるので当然定型句を発する岩田ロボに。

軌道に乗ってない理由も質問者側で幾つか明示する位やらんと

今後の施策に対する言質は取れないし、発破の掛け様もない。

 

 

 

4問目

シアトル・マリナーズの筆頭オーナーは続けるのか。

所有した事によるメリットをお聞かせいただきたい。

 

ランディ・ジョンソンさんが殿堂入りしたが恐らく永久欠番となる51番は

イチローさんと同じ。その点に関してオーナーとして何かアクションを起こすのか。

 

 ・まず日本企業がメジャーリーグのオーナーになれるのは例外的な事で、受け入れられた事自体を大事にしたいと前置き。

・背番号については単独オーナーという訳でもないので何かしら一存で決められる話ではないとの事。

 

質疑のバリエーションとしては面白かった。

所有資産としての球団の質問かー、と思ったら背番号の話に進んでしまい

話のオチを与えてしまい横道にそれた感じも、なくはないです。

 

 

 

5問目

移転前の本社、鳥羽街道の土地がは何かに利用するのか。

京阪鳥羽街道駅の利用者も減っており寂しい。

 

・本社機能は移転したがマリオクラブというデバッグ部署が残っている(岩田)

 

 資産の質問かーーーとおもいきや地元駅の利用者数の話に落ち着いてずっこけた。

質問者さんはいかにも地元の方っぽいおじいさん。生きた意見といえなくもない。

 

 

 

6問目

今年のE3ではイベントで紹介されたラインナップが少なく寂しかった。

昨年と違い直近のタイトルしかない。

 

・今年のE3では岩田社長は出席していない為に宮本茂専務が回答。

・質問者さんの認識は一部事実だと前置きをする宮本氏。ブースの紹介映像を流す。

・インターネットの普及で誰でもみれるようになったがE3は元々アメリカ向けのトレードショー(宮本)

・他社さんはビデオ展示のみの所も多かったが任天堂はプレイアブル。現場ではそこは好評だったと宮本氏が強調。

・VRのような、今すぐどうこう出来るという訳でもない夢の展示(宮本)

 

相変わらず捉え方の難しい含みのある物言いをする宮本さん。

特にVRの前後がいかにも京都の人って感じの毒気があり苦笑い。

 

宮本氏は昨年の総会でも未発表の3DS向けのゼルダ(ムジュラ)の存在を匂わせてたり

今年のE3ツリーハウスではスターフォックスのスリッピーについて

何やら展開がありそーな事を仄めかしてたりと

メディアにとっては推測過多で記事にし辛いポロリをよくされる。

公に腹芸をする気がないのか、天然でユーザーに対して発言する印象。

 

・締めとして岩田社長が補足。

・昨年のE3では魅力を伝えきれていないWiiUを紹介するという趣旨だったとの事。

・今年は北米市場向けの紹介という趣旨。趣旨は年によって毎回違う。

 

余談だが、私もイベントを視聴して今回は本当にインパクトが弱いと思った。


Nintendo Digital Event - YouTube

ブランドの求心力が落ちてる今なお、そのブランド性を盾に、って感じ。

 こういう手元ばかり見てる状況は株主としてはかなーり怖い。

 言わずもがな、期待というのは引き出した後に応えるものであって

消費する類のものではない。

 

 

スーパーマリオメーカー(既出の映像がすこぶる面白い)


Nintendo World Championships 2015 - YouTube

マリオテニス ウルトラスマッシュ(3DSの前作がすこぶる面白い。正統進化。)

 


マリオテニス ウルトラスマッシュ E3 2015 出展映像 - YouTube

この2本、絶対面白いんだけどなー。

 

 

7問目

NX発売後もWiiU3DSのソフトは出続けるのか。

 

ちゃんと出すような感じーな回答。

 

互換性に関する話題を引き出したかったのかもしれないが

クジンシーのソウルスティール並のド直球な質問なので

損させないよ、出すよとそのまま受け流し。

攻撃の組み立ては超大事、と思いつつも、設定された負けイベント戦ぽさもあり。

 

 

8問目

スマートデバイス向けのソフトはワンショット(売り切り型)か

それともよくあるアイテム課金か。

どのような層をターゲットと設定をしているのか。

・ Free to Playでは印象が良くないのでFree to Startと呼んでいる(岩田)

・売り切り型は安価な上にセールも多く、過当競争。それだけには頼らない(岩田)

・日本のやり方がそのまま世界で受け入れられるとも思ってない。(岩田)

 

 

前置きで呼び方にこだわる所をみるとサブスクリプション要素があるのは間違いない。

既に3DS

「一定額(パッケージ代金相当)課金すると後は定期的に課金アイテムが貰える」

という方式を導入したソフトがあるけど、それ以外の答えは出てくるのだろーか。

 

3DSゲームコイン(万歩計機能で増える)が課金用のコインと一緒くたになり

3DSの売上倍増ウハウハなんて斜め上展開が来ても驚かないよ、わし。

 

 

9問目

子供たちを見ているとヒーローごっこで遊んでいたりするが

ゲーム内のヒーローを自分の顔にしたり出来ないか。

 

任天堂関連のグッズ、食パンやラーメンなどの食品は出さないのか。

ユニクロなどでも関連商品があれば買う人も多いのでは。

WiiからはMiiという、ふくわらいのように顔を作る機能がある。(岩田) 

・ライセンス商品はクオリティコントロールの問題もあって
多ければいいというものでもない(岩田)

 

むかーしあるところでの懇親会かなんかで

ボクセルベースのレゴみたいなマリオ関連のおもちゃあったら面白いよね!

と言ったらば

そんなんおもろいの?誰が買うの?マイクラのパクリですか?レゴでええんちゃう?

ってフルボッコにされたあの日の事を思い出した。涙。 

 

 

10問目

 自社株の保有率が高すぎないか

・昨年に前社長が保有していた分を自社株買いしたので云々。

・今は変化の時なので暫くは保有、状況が変わったら消却も含めて何か考える云々。

 

 去年買い取ったから確かに高いね、そのうちなんかするよ、という話。

任天堂の場合、提携した際に良い効果が見込めそうな所も沢山あるので

色々妄想が膨らむような話でもあったり。

 

 

11問目 

キャラクターフィギュアをどんどん出すつもりはないか。

・短期的に売れるとしてもブームが続くとは限らないのでやらない云々。

・勇み足で在庫を抱えるとヤバイというお話。

質問者さんはキャラクターの例としてポケモンアニメの登場ガールを列挙したのだが

ハルカだけ「メインヒロインのハルカ」とprefix付き。いやセレナがメインでしょ?

 

しかしamiiboが生む付加価値って、ゲームとフィギュアの両方にかかると考えると

対応ソフトの数さえクリア出来れば、なんだかんだで結構いいやり方なんだよなぁ。

 

質問の行間を12次元位まで跳躍して読みまくるとするなら、amiibo形式だけでなく

種々のフィギュアにもそれぞれNFCを付随しないか、って話にも読める。

それはそれで関係各社に互恵あり、リスクヘッジありで面白い話。それあるー。

 

 

12問目

スプラトゥーン100万本おめでとうございます。

バーチャルコンソールはどれくらい売れているのか、規模は。

昔のソフトは現在手に入らない物も多くなってきているが

バーチャルコンソールで全てのソフトを買えるように出来ないか。

スススーと瞬獄殺のよーな滑らかさでスプラトゥーンの映像を流す岩田社長。

E3の映像は無音だったが、今度のイカには音がある。

 

スプラトゥーンがどんなゲームか紹介する岩田社長。曰く「荒唐無稽な世界観」

・新規タイトルで、楽観はしていなかった。受け入れて頂けてありがたい。(岩田)

・1ヶ月以内に100万本も売れるとは全く予想していなかった。(岩田)

日本での販売数が多いこと等、突っ込んだ話には言及が無かった。ちょっと残念。

 

ちなみに私もエンジョイ勢のイカとして飛来するボムに怯える日々。

f:id:Linotype:20150627135308j:plain

 

 

 

バーチャルコンソールについては

・ダウンロードの売上(VC以外も含む)は報告書の通り、313億円。

・個別開示はキリがないのでしていないとの事。

・自社のソフトに関しては少数の不可能なタイトル以外はVC化したい(岩田)

・他社さんのタイトルは、当時の契約、権利関係で難しい物も多い(岩田)

 

ムリなものはムリだけどなるたけやるよーと、それなり期待できる感じの回答。

まあ昔のタイトルを欲しがる人が大量に居るとも思えないし

タイトル数より体験を補強する根本的な仕組みのが優先事項とは思うけど。

個人的には昔のPCやアーケードも拡充して欲しかった。

 

 

 

質疑は以上。

 

 

 

総評。

 

当座の株価が盛り返していることもあってか、とにかく質問が穏当。

悪く言えば、判り切った答えしか得られていない、少々退屈な質疑でもあった。

総会は公の場なので、会社も株主も発言にはちゃんと責任が伴う。

会社の行先に憂慮する点があるならばそれを利用し、会社側の有志に道を作れるよう

言質を取れる質問をした方がいいのだが。

個々人で認識も違うし会社も安易な回答をしないよう心がけてるので

なかなか難しい。

 

私の場合、VRに対するスタンスを晒させておきたかった。

願わくば付加価値として位は認めており、全くの無策ではありませんように。

 

2015年 任天堂株主総会 完

 

 

おまけ

今年のお土産はこんな感じでした。

f:id:Linotype:20150627133523j:plain